スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

金のかからない医療

 最近科学の進歩にともなる新しい治療法を見ていると考えてしまう事がある。治療にドンドン金がかかるようになって、これでは医療財政が破綻してしまうのが当然だと思えてくる。
 医療費を出来るだけ低くするためには病気にならなければいいのである。病気になってもできるだけ重症化しないようにすることである。それはよくわかっていることで予防医学に力を入れようと特定検診が始まった。ところが特定検診で病気が見つかっても効果的に病気が予防されているようには見えないのである。
 それは糖質制限ダイエットを始めて痛切に感じるようになった。糖質制限ダイエットは血糖すなわちグルコースの基になる炭水化物を基本的には摂取しないダイエットである。糖質を摂らないとエネルギーはどこから来るかというと、蓄積された脂肪がとけてケトン体になり、それがグルコースの代わりの燃料になる。糖質をとらないと血糖がほとんど上昇しないので糖尿病やメタボの人には最も続けやすいダイエットと思われる。現在行われているカロリー制限ダイエットの一番の問題は炭水化物を基本的なカロリー源にしている点である。炭水化物を摂取すると血糖・グルコースが上がり、インスリンが分泌されて血糖が下がると、今度は糖が下がりすぎて低血糖になり、力が抜ける、イライラするなどの禁断症状が出て、もっと炭水化物を食べたくなるという衝動が起こり、その衝動を抑える事が困難な点にある。食べれば食べるほどもっと食べたくなるのは身体の糖をコントロールする仕組みに根ざしているので、糖質を中心とした食事でのダイエットは意志の強い限られた人にのみ可能で、多くの場合失敗する。糖質制限ダイエットは炭水化物の禁断症状が出ないため比較的容易継続できる。そして体重はもちろん血中脂質やヘモグロビンA1Cも短期間に改善される。
 糖質制限ダイエットを実施してみて気づいた事は治療に金がかからないということである。体重の減少に伴い、血糖、ヘモグロビンA1Cはもちろん血中コレステロールや中性脂肪は低下し、血圧も下がってくる。従がってしっかりつづけるとこれらのために飲んでいた経口糖尿病薬や脂質代謝調整薬、降圧剤がいらなくなる。ただ人によって尿酸値が上昇する場合があるのでその薬が必要な場合がある。血糖が安定すると動脈硬化が予防されるので心臓病、腎臓病、脳血管障害などが予防され、それに伴う高額な治療費が削減できる。
 また現代のストレス社会において糖分の取りすぎは低血糖に関連した不安定な精神上態にも影響していると考えられる。糖分接種後の低血糖が体のだるさ、やる気のなさ、不安感など、欝の症状などを増悪させている可能性がある。その点で糖質の摂取を控えることで血糖の大きな変動を抑え、気分の変動をも小さくすることから安定剤の使用量を減らすことが期待される。
 以上のことは病気を防ぐための話である。ところが病気が進行して合併症を起こしているような状態では既存の治療で対応せざるを得ないと思われる。
 このように金のかからない的確な病気の予防を実施すると医療費がかからなくなるから財政問題の解決にもつながると思われる。ただ薬の売り上げが伸びた方がいい製薬メーカーには歓迎されないと思われるところに構造的問題がある。

テーマ : 医療・病気・治療
ジャンル : 心と身体

プロフィール

仲原靖夫

Author:仲原靖夫
昭和51年広島大学卒業、中部病院で外科の研修を終え、八重山病院、アドベンチスト・メディカルセンター、ハートライフ病院、屋比久産婦人科小児科東洋医学センターで西洋医学と東洋医学を併用した診療を続けてきた。現在、『仲原漢方クリニック』(沖縄県那覇市牧志)院長。

リンク
書籍の紹介

東洋医学の雑記帳

仲原漢方クリニック院長のドクター仲原が、1992年から2001年まで、週刊レキオに東洋医学、漢方関連の記事を掲載していたものをまとめた本です。現代西洋医学と東洋医学の病気の考え方の違いや漢方についてわかりやすく解説されています。 冷えの害、不定愁訴について、漢方で癌は治せるか、リウマチと漢方、肩こりについて、風邪について、偏頭痛、不眠、関節痛、自律神経失調症など。

定価:1,000円(税込価格)

発行:(株)週刊レキオ社
(株)週間レキオ社又は全国の書店および「当クリニック」にて販売中

ブログ内検索
最近の記事
カテゴリー
月別アーカイブ
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。