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甲状腺機能低下症のホルモン治療で改善されなかった

 最近興味深い症例を経験した。
 数年前甲状腺機能低下症と診断され甲状腺ホルモンによる治療を受けているが、疲れやすい、肩こり、首こりなどの症状が改善されないという。診察してみると心拍数は正常で浮腫みもなく手足は温かく、甲状腺機能低下症は改善しているように見えた。ところが頚椎の診察をしたら後頭部の叩打痛、すなわち後頭部の首の付け根の中心から指一本の幅外側の部分を親指で叩いたら非常に痛がっていた。そこでレントゲンで、首を確認したところ、それなりの捻じれなどの所見は確認できたが、木枕をさせてもあまり痛がらない。あれほど症状が強くて、診察所見もはっきりしていると木枕テストでも痛みが強く出そうであるが、そうでなかった。腹を見ると胸脇苦満が強く大柴胡湯を使うような所見であった。
 そこで型どおりに針治療を行ってレントゲンに基づく鎖骨調整を行ったら首がすっきりして頭が軽くなり気分がすっきりしたと喜ばれた。
 甲状腺の検査で橋本病と診断されることはそんなに珍しいことではない。多くの場合は甲状腺に対する自己抗体が見つかり、それが甲状腺組織を破壊するため、長い時間が経ち甲状腺組織が少しずつ壊れて血液検査で甲状腺ホルモンが少なくなると甲状腺機能低下症という診断がつく。その症状はひどい場合は疲れやすい、意欲がわかない、寒がり、便秘、浮腫みがつよく、顔色が青白くなるなどの症状がみられるが、多くの場合は何となく疲れやすい、だるいなどの症状だけの場合が多いので血液検査をしないとわからないのである。ホルモンが不足していることが検査ではっきりすれば経口摂取でチラジンなどの甲状腺ホルモン剤をのめばホルモンは補充され、不快な症状がとれ、問題がないのがふつうである。
 ところがこの患者さんの場合はホルモン剤をのんでも不快な症状がとれなくて困っておられたのである。
この方の場合は甲状腺機能低下症とは別に頚椎の異常があって不快な頭頚部症状を引き起こしていたことなり、頚椎の治療を行うことで症状がとれたのであった。

テーマ : 医療・病気・治療
ジャンル : 心と身体

プロフィール

仲原靖夫

Author:仲原靖夫
昭和51年広島大学卒業、中部病院で外科の研修を終え、八重山病院、アドベンチスト・メディカルセンター、ハートライフ病院、屋比久産婦人科小児科東洋医学センターで西洋医学と東洋医学を併用した診療を続けてきた。現在、『仲原漢方クリニック』(沖縄県那覇市牧志)院長。

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東洋医学の雑記帳

仲原漢方クリニック院長のドクター仲原が、1992年から2001年まで、週刊レキオに東洋医学、漢方関連の記事を掲載していたものをまとめた本です。現代西洋医学と東洋医学の病気の考え方の違いや漢方についてわかりやすく解説されています。 冷えの害、不定愁訴について、漢方で癌は治せるか、リウマチと漢方、肩こりについて、風邪について、偏頭痛、不眠、関節痛、自律神経失調症など。

定価:1,000円(税込価格)

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