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砂糖中毒症候群

 最近体がだるい、昼間から眠くなると訴える不思議な症例を経験した。興味深いことは本人たちにこれといった原因が思い当たらないことであった。
 最初の患者さんは60代の女性で最近昼間でもやたらと眠く、会議の咳でも居眠りをしてしまうという。以前はそういうことはなかった、と云われた。補中益気湯、酸棗仁湯などを処方して様子をみたが、はっきりした手ごたえは感じられなかった。ところが人間ドッグで糖尿病になりかけているといわれたので、はっと気づいて甘いものをやめたら眠くなくなったといわれたのである。最近甘いものに目がなく、チョコレートや和菓子などをよく食べていたという。
 二人目は40代の男性で90キロの肥満である。最近体がだるくて疲れやすく、何もしたくないという。特別無理をしているわけでもない。二年前と比べて体重が4キロ増えていた。そこで最近冷たくて甘い清涼飲料水など飲んでいないか尋ねてところ、体がだるいので甘いものをよく摂っているとのことであった。そこでその甘いものを摂り続けることが原因であると思うと伝え、即甘いものを中止してもらった。
 以前にも紹介したが、人間の体は甘いものを食べるとさらに甘いものがほしくなり、やめにくくなる仕組みになっている。いわゆる砂糖中毒、或いは依存という状態である。特に精製された糖分は口に入れるとすぐに吸収され高血糖になる。高血糖は血管を傷つけやすいなど身体に具合が悪いので、膵臓からインシュリンが大量に分泌され、急いで血糖を下げる仕組みになっている。インシュリンが効きだすと今度は血糖が下がりすぎて力が抜け、イライラするなど低血糖の症状を起こしてくる。するともっと甘いものがほしくなり、さらにお菓子屋、清涼飲料水などを摂ることになり、悪循環を形成する。つまり、飲んでも飲んでも、食べても食べても、もっと甘いものがほしくなってくるのである。これが砂糖中毒の成り立ちである。此の時インスリンの働きで下がった血糖は、特に運動もしていない場合は脂肪組織に蓄えられることになり、ぶくぶく肥ることになりる。そして時間がたつと糖尿病が出来上がる。そのためにかかる時間は5年、10年と長いので、すぐにはそれと分かりにくいのではないかと思われる。清涼飲料水のように冷やして飲む飲み物は、砂糖の作用以外にも、冷たいものが飲んだ後に、胃のあたりに熱を発生させるので喉の渇きを引き起こし、さらに冷たいものを飲むことをうながし、止まらなくなると考えられる。すなわち砂糖中毒と冷たいもの摂りすぎがかさなり、さらにだるい、やる気が出ないなど症状を強くするのではないかと考える。
 最近東南アジアに出かけた友人が、インドネシアでは若い人の糖尿病が爆発的に増えていると言っていた。甘いものを呑んでいるのではないかと尋ねたところ、コカコーラの消費が爆発的に増えているということで成るほどと思った。
 また最近精神的な不調を訴える人が多いが、そのイライラの症状を甘いものを摂りすぎることで増幅しているのではないかと思われることをたびたび経験する。
 このように糖尿病の原因に肥満―食べ過ぎというパターンを考えるが、甘くて冷たい飲み物の取りすぎが、裏で強く作用していることが見落とされているのではなかとと考えている。

テーマ : 医療・病気・治療
ジャンル : 心と身体

プロフィール

仲原靖夫

Author:仲原靖夫
昭和51年広島大学卒業、中部病院で外科の研修を終え、八重山病院、アドベンチスト・メディカルセンター、ハートライフ病院、屋比久産婦人科小児科東洋医学センターで西洋医学と東洋医学を併用した診療を続けてきた。現在、『仲原漢方クリニック』(沖縄県那覇市牧志)院長。

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東洋医学の雑記帳

仲原漢方クリニック院長のドクター仲原が、1992年から2001年まで、週刊レキオに東洋医学、漢方関連の記事を掲載していたものをまとめた本です。現代西洋医学と東洋医学の病気の考え方の違いや漢方についてわかりやすく解説されています。 冷えの害、不定愁訴について、漢方で癌は治せるか、リウマチと漢方、肩こりについて、風邪について、偏頭痛、不眠、関節痛、自律神経失調症など。

定価:1,000円(税込価格)

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