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人生の重荷

 人生の重荷を背負うという言葉は、大きな責任ある仕事または課題を任されて精神的重圧を受けるという、見えない抽象的な圧力を指すと考えてよいだろう。最近の外来に来られる方を見ると、それぞれの人生の重荷をかついで、首凝り、肩凝り、頭重などの症状で不快な日常を送っておられるように見えることが多い。見えない圧力は心に作用するので外からは見えないと考えられるが、最近診療の中でそれが眼に見える形に表れていると考えるべきではないかと気がついた。
 色々な訴えで来院されるいわゆる不定愁訴の患者で頭が重い、肩がこる、首筋がこるという訴えの人が多いということを此れまで何度も取り上げた。疲れて眠れない、頭がすっきりしない、という症状は、過労、ストレス、睡眠不足が続いた時などに聞かれる症状である。ヒポクラテスは『心に起こった事は必ず身体に影響を及ぼす』という言葉を残した。これらの心に作用した、いわゆるストレスが身体に、見える所見としてどのように体に変化を及ぼすかということが問題になる。今までは肩こり、頭痛、頭重、などの臨床症状に対して当然の如く漢方薬を処方し、針などの治療で筋肉の凝りなどをほぐしてきた。ところが最近その根拠となる目に見える検査所見に最近気がついた。
 生活のストレスは首筋の凝りに伴う症状として表現されていることが観察され、重荷を背負うという抽象的な表現は実際の身体の症状に関連していることがわかる。更に一歩進めて観察すると、ストレスは頸椎のゆがみとなって身体に蓄積されることが、レントゲン写真から明らかになってきた。つまり肩こり、首こり、頭痛などはレントゲンの検査所見では、正面像での頚椎の捩れ、側面像では生理的湾曲の消失つまり頚椎の直線化や後方湾曲などの所見として表現されていることがわかった。
 当院ではこのような症状に対して、針治療、鎖骨調整を行ない、漢方薬を処方して対応している。特に初回の頚椎治療の後、頭がすっきりして軽くなり、視野が明るくなり、ものが見え易くなるとき『今日からあなたの人生明るくなります』と声をかけるようにしているのである。
 聖書に『すべて重荷を負うて苦労している者は、わたしのもとに来なさい。あなたがたを休ませてあげよう。』(マタイによる福音書11章28節)という言葉がある。此の場合どのように休ませるのだろうか。人格的な包容力、安心感によって安らぎを与え、気が抜けるようにするのだろうと想像して見るのだが、その包容力によってからだの症状まで解消されたのかわからないのである。
 しかし臨床医学にたずさわっていると、人生の重荷というのは、頸椎のゆがみとなって蓄積されて、日常生活をきわめて不快にすることが含まれているではないかと考えるのである。キリストや釈迦、弘法大師などはそれを念力によって解決できたのではないだろうか。また最近ではこの治療を私に教えてくれた上原真幸先生も念力で治療された。しかし私は普通の凡人であるから、念力も余り強くないので、鎖骨調整という眼に見えるわかりやすい直接的な方法で頚椎の歪みの治療をしている。

テーマ : 医療・病気・治療
ジャンル : 心と身体

プロフィール

仲原靖夫

Author:仲原靖夫
昭和51年広島大学卒業、中部病院で外科の研修を終え、八重山病院、アドベンチスト・メディカルセンター、ハートライフ病院、屋比久産婦人科小児科東洋医学センターで西洋医学と東洋医学を併用した診療を続けてきた。現在、『仲原漢方クリニック』(沖縄県那覇市牧志)院長。

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東洋医学の雑記帳

仲原漢方クリニック院長のドクター仲原が、1992年から2001年まで、週刊レキオに東洋医学、漢方関連の記事を掲載していたものをまとめた本です。現代西洋医学と東洋医学の病気の考え方の違いや漢方についてわかりやすく解説されています。 冷えの害、不定愁訴について、漢方で癌は治せるか、リウマチと漢方、肩こりについて、風邪について、偏頭痛、不眠、関節痛、自律神経失調症など。

定価:1,000円(税込価格)

発行:(株)週刊レキオ社
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