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体調を乱す禁断症状

 禁断症状というと直ぐ思いつくのは麻薬である。麻薬中毒の患者を治療した経験はないが、伝わる情報によると、薬を使用し続けると多幸感、安楽感にひたり、それが切れると不快感、痛みなどの感覚が起こって堪えられず、再び薬を体内に入れないではいられない状態と理解できる。一方ポピュラーな禁断症状はアルコール、タバコである。酒の場合は健康状態、社会生活に影響が強いので問題にされやすい。ニコチンの場合は個人の健康問題、副流煙による周囲への健康被害の問題から禁煙運動につながり、国民の全体が認識するようになっている。
 今回は余り気づかれていない禁断症状について考えてみた。一つは冷たいもの、二つ目は甘いものを含めた炭水化物である。これは清涼飲料水のように二つが一緒になっている場合もあるが、個別に考えてみたい。
 まず冷たいものを飲むことである。コップ一杯の冷たい水を一回飲んで問題が起こるわけではない。但し胃腸の弱い人はそれで下痢するかもしれないが、大部分の人は問題ないだろう。ところが無造作に繰り返し飲み続けるとどうだろうか。喉が渇いて飲んでも飲んでも渇きが癒されない状態になり、冷たい水がやめられなくなる。人体は37℃に体温を保つように調節されているから、身体は冷やされると代謝を上げて熱を産生し体温を維持するように対応する。そのためにエネルギーを消費するので体に余分な負担がかかっていることは間違いない。そのうち胃腸が冷えて食欲がなくなり、下痢しやすくなり、身体がだるくなり、休んでも疲れが取れない状態になる、そして風邪をひいても治りが悪くなり、原因不明の不定愁訴になっていく。水は命の源であるから生命に不可欠のものであるから、それが禁断症状を起こすことは思いもよらないので、一般的に注目されていないので問題である。水の過剰は自然の中ではがけ崩れ、水害として害を及ぼすし、植物では水ぐされということもあるというと患者さんに納得してもらえる。
 その悪循環を断ち切る方法は温かい者を飲むことである。身体は温かい飲み物に対して過剰な熱を出さないから冷たいものを飲む必要がなくなる。
 炭水化物の問題はもっとわかりにくい。まず砂糖は調味料ではあるが御菓子など嗜好品になるので砂糖中毒も少しわかりやすいが、ご飯、パン、麺類になると三度の食事の主食であるから納得しにくい。まず砂糖の入った甘いものは食べると病み付きになることは多くの人が経験していると思われる。甘いものを食べると次々に欲しくなること皆経験している。それは身体の基本的仕組みと関係している。すなわち甘いものをとると砂糖は食道や胃の粘膜から直ぐ吸収され、短時間のうちに血糖が上がる。そして血糖の上昇の度合いに応じて膵臓から血糖を下げるインシュリンホルモンが分泌され、血液中の糖が細胞に取り込まれ、血糖を下げる。取り込まれた糖、グルコースはグリコーゲンとして蓄えられた、更に余分な糖は脂肪として蓄えられる。大量に分泌されたインシュリンの作用で今度は急劇に血糖が処理されると今度は低血糖になり、低血糖症状である脱力感、イライラ、空腹感が起こり、また甘い物に手を出し、同じ事を繰り返していく。そして絶えず甘いものを食べ続け『やめられない、止まらない・・・』となってメタボの道をまっしぐら。遂には膵臓も疲れてインシュリンホルモンの生産が追いつかなくなり、糖尿病になってしまう。この仕組みが砂糖だけではなく精製された炭水化物、例えば小麦粉、白米、麺類でも起こるとしたらどうだろうか。高血糖と低血糖を繰り返し、徐々に体重が増え、中年から初老にかけて二型糖尿病と診断される。これが炭水化物の禁断症状の終の姿である。
 清涼飲料水を飲み、ファストフードが炭水化物中心になっている現代社会を見ると、厚労省の掛け声とは裏腹に不健康に向かう流れが中心にあり、とても医療費削減どころではないと思われる。炭水化物の禁断症状を断ち切るには甘いものを控え、主食の量を極力抑えることである。冷たい水、炭水化物の禁断症状をよく理解することが健康長寿の第一歩であると叫びたくなる。

テーマ : 医療・病気・治療
ジャンル : 心と身体

プロフィール

仲原靖夫

Author:仲原靖夫
昭和51年広島大学卒業、中部病院で外科の研修を終え、八重山病院、アドベンチスト・メディカルセンター、ハートライフ病院、屋比久産婦人科小児科東洋医学センターで西洋医学と東洋医学を併用した診療を続けてきた。現在、『仲原漢方クリニック』(沖縄県那覇市牧志)院長。

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東洋医学の雑記帳

仲原漢方クリニック院長のドクター仲原が、1992年から2001年まで、週刊レキオに東洋医学、漢方関連の記事を掲載していたものをまとめた本です。現代西洋医学と東洋医学の病気の考え方の違いや漢方についてわかりやすく解説されています。 冷えの害、不定愁訴について、漢方で癌は治せるか、リウマチと漢方、肩こりについて、風邪について、偏頭痛、不眠、関節痛、自律神経失調症など。

定価:1,000円(税込価格)

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