スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

冷え症について

  隠れ肥満についてNHKの『試して合点』で取り上げていた。
  同じような1600カロリーの食事摂取量でも組み合わせた栄養素の割合により体脂肪率が高く、冷え症になり、朝も起きづらく、元気がない状態になるという報告であった。
  報告のポイントは食事の炭水化物の割合で、それが60パーセント以下で砂糖がおおくなると一時的な高血糖の後にインスリンが多めに分泌され、血糖値が低い状態が長く続く。すると脳が低血糖の状態を飢餓状態と受け止めて自律神経が副交感神経優位にセットされるということであった。
  飢餓の状態では生命維持のため栄養を溜め込まないといけないので、無理やり元気のでない、休養モードにし、同化作用に傾く副交感神経優位にセットされると考えられる。副交感神経優位の状態は、気を抜いて休んだり、眠ったりする休養の状態である。この状態が夜に起こるのが通常の生理的リズムであるが、活動を始める朝から昼にかけても交感神経に切り替わらないと困ったことになる。朝起きにくい、やる気が出ない、眠い、身体は冷えるなど仕事モードにならないので社会生活に支障をきたすことに問題がある。
  医学的には代謝がエネルギーを蓄えるほうにセットされるので熱産生が抑制され、臨床的には冷え症になり、意欲が低下し、あたかもうつ病のような状態になる。そして活動が低下したその分だけ脂肪がたまることになる。その結果摂取カロリーは抑えているのに体脂肪が増えるというパラドックスが起こることになるのである。
  このような現象は極端にスリムな体型を美しさの基準とする現代女性の感覚では日常的な現象のようである。多くの美しくありたい願望のつよい若い女性が冷え症で、やせ過ぎで元気がない、となると大きな社会問題でもある。生理的に健康な状態すなわち標準体重を基準にした美的感覚の啓蒙が必要ではないかと、若い冷え症の女性を診察するたびに感じることが多い。
  このような状態に対し漢方では人参、白朮、乾姜、附子などの入った補中益気湯、六君子湯、人参湯、真武湯、四逆湯などを使う。これらの生薬は代謝を賦活し熱の産生を促すので身体を温め、活動性を高め、やる気を出させる作用がある。
  その前に野菜やたんぱく質を含む栄養バランスとれた砂糖の入らない炭水化物60%の食事にし、たんぱく質や野菜などのおかずを先に食べ、ご飯を後からゆっくり食べる食事の注意が必要とのことであった。
  このように冷え症の背景には栄養バランスの問題があること、病気の治療はまず食生活を整えた上で薬の力を借りるという順序があることも改めて教えられた。

テーマ : 医療・病気・治療
ジャンル : 心と身体

プロフィール

仲原靖夫

Author:仲原靖夫
昭和51年広島大学卒業、中部病院で外科の研修を終え、八重山病院、アドベンチスト・メディカルセンター、ハートライフ病院、屋比久産婦人科小児科東洋医学センターで西洋医学と東洋医学を併用した診療を続けてきた。現在、『仲原漢方クリニック』(沖縄県那覇市牧志)院長。

リンク
書籍の紹介

東洋医学の雑記帳

仲原漢方クリニック院長のドクター仲原が、1992年から2001年まで、週刊レキオに東洋医学、漢方関連の記事を掲載していたものをまとめた本です。現代西洋医学と東洋医学の病気の考え方の違いや漢方についてわかりやすく解説されています。 冷えの害、不定愁訴について、漢方で癌は治せるか、リウマチと漢方、肩こりについて、風邪について、偏頭痛、不眠、関節痛、自律神経失調症など。

定価:1,000円(税込価格)

発行:(株)週刊レキオ社
(株)週間レキオ社又は全国の書店および「当クリニック」にて販売中

ブログ内検索
最近の記事
カテゴリー
月別アーカイブ
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。