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肋間神経痛と尾骨の痛み

 最近肋間神経痛の患者さんが見えた。肋間神経とはあばら骨の下縁に沿って、背骨から胸の前にめぐる神経で左右十二対ある。左の乳房辺りが痛いというのである。
 肋間神経痛と診断して、その痛みの部分の肋間神経を辿って背中の方へ回り、正中線上の脊椎の棘突起を確認し、親指で押すと圧痛を見つけることができる。多くの場合その棘突起の捻じれが原因で神経痛が起こっている。そこで棘突起に反対側から痛む方向に力を加えると背骨の捻じれが解消して瞬時に痛みが取れる。その整復に大した力はいらないが効果はドラマティックである。肋間神経痛は腹の冷えに関連して起こることが多いようで、腹を温める作用のある大建中湯(だいけんちゅうとう)と似たような効果のある当帰湯(とうきとう)を使うことが多い。
 またまれな痛みにではあるが、偶に尾骨の痛みを訴える人がいる。尾骨の亜脱臼が原因らしい。その尾骨の整復の仕方は、肛門診の要領で患者を膝を抱えるように側臥位になってもらい、人差し指を肛門に差し入れる。その人差し指と同じ手の親指の間に尾骨を挟み、尾骨を伸ばすように力を加える。するとそれによって亜脱臼が整復されるらしく、痛みが取れる。これは治療の部位が部位だけに最初からやるのはためらわれ、少し内服薬など試みながら、よくならないので仕方なくやるという形にした方がやりやすい。その方が患者もあきらめて治療を受けやすいのではないかと考える。
 いずれの治療もやってみると簡単ではあるが、教科書には載っていない。自分の経験か伝聞によって身に着けた治療法である。
 求めよ!さらば与えられん!

テーマ : 医療・病気・治療
ジャンル : 心と身体

プロフィール

仲原靖夫

Author:仲原靖夫
昭和51年広島大学卒業、中部病院で外科の研修を終え、八重山病院、アドベンチスト・メディカルセンター、ハートライフ病院、屋比久産婦人科小児科東洋医学センターで西洋医学と東洋医学を併用した診療を続けてきた。現在、『仲原漢方クリニック』(沖縄県那覇市牧志)院長。

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東洋医学の雑記帳

仲原漢方クリニック院長のドクター仲原が、1992年から2001年まで、週刊レキオに東洋医学、漢方関連の記事を掲載していたものをまとめた本です。現代西洋医学と東洋医学の病気の考え方の違いや漢方についてわかりやすく解説されています。 冷えの害、不定愁訴について、漢方で癌は治せるか、リウマチと漢方、肩こりについて、風邪について、偏頭痛、不眠、関節痛、自律神経失調症など。

定価:1,000円(税込価格)

発行:(株)週刊レキオ社
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