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平成三十一年 新年の挨拶

 新年あけましておめでとうございます。
 漢方は共感の医学であると私は常々考えてきました。それは漢方の成り立ちによると考えます。漢方の古典「傷寒論」そのものが寒冷刺激により体温の自動調節が破綻した結果起こる発熱疾患をモデルとして、その症状の変化に対する治療を論じており、それらの症状は医者も患者と体感を共有できます。さらに内因(七情)すなわち・不内外因(過労・食事の不摂生)に範囲を広げてみると七情における感情の乱れ(喜・怒・悲・思・憂・驚・恐)、冷飲食、過労、睡眠不足などが病因となる病的過程は、医師も人の子、お互いの経験から実感を共有し共感できます。すなわち漢方の診療は病気の過程における症状を医師が患者と同じように日常生活から理解、共感し、診断・治療に結びつける仕組みになっております。そこに漢方の根強い人気の理由があるのではないかと考えます。
 ところで最近これまで共感してきたつもりが、必ずしも共感できていなかったと反省する領域があることに気づかされました。腎虚(加齢)の問題です。精力の減退、意欲の低下、尿意コントロール困難、脚力の衰えと四肢の痛み、排便の不調、睡眠の質の変化など、知識で知っていた症状が、自分自身の加齢変化として日々実感されるようになってきたのです。つまり以前は必ずしも実感を共有できていなかったと思いいたりました。それでもさらにまだ越えなければならない厳しい老化の過程が自分に残されていることを日々感じつつ、共感力の高まりを実感しながらも複雑な思いで日々診療に励んでおります。本年もよろしくお願いいたします。(H31.01.17)

テーマ : 医療・病気・治療
ジャンル : 心と身体

プロフィール

仲原靖夫

Author:仲原靖夫
昭和51年広島大学卒業、中部病院で外科の研修を終え、八重山病院、アドベンチスト・メディカルセンター、ハートライフ病院、屋比久産婦人科小児科東洋医学センターで西洋医学と東洋医学を併用した診療を続けてきた。現在、『仲原漢方クリニック』(沖縄県那覇市牧志)院長。

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書籍の紹介

東洋医学の雑記帳

仲原漢方クリニック院長のドクター仲原が、1992年から2001年まで、週刊レキオに東洋医学、漢方関連の記事を掲載していたものをまとめた本です。現代西洋医学と東洋医学の病気の考え方の違いや漢方についてわかりやすく解説されています。 冷えの害、不定愁訴について、漢方で癌は治せるか、リウマチと漢方、肩こりについて、風邪について、偏頭痛、不眠、関節痛、自律神経失調症など。

定価:1,000円(税込価格)

発行:(株)週刊レキオ社
(株)週間レキオ社又は全国の書店および「当クリニック」にて販売中

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