FC2ブログ

風邪の季節がやってきた―体の冷えに要注意!―

 今年は冬の訪れが遅いような気がします。12月でも最高気温が25度を超す日が続いて、昼間は半袖でも困らないほどでありますが、夜間は半袖、半ズボンでは何となく心もとなく、寒気団が南下すると一気に冬の空気が流れ込んでくるので油断は禁物です。その証拠に外来には何となく風邪ぎみで、咳・鼻水が止まらない人や、空咳が続いて治らないという人が目立ちます。そこでこの季節には前もって頓服で風邪の漢方処方を持たせるようにしています。風邪を引いて病院に来るまでの間にこじれることへの配慮です。
 『傷寒論』という後漢の時代の漢方の古典の名称は、実は人体が冷え(寒)によって体調を崩していく過程の身近な症状と治療を論じています。ヒトが恒温動物である限り、時代や環境が変わっても体温維持機構の仕組みは変わらないので、その漢方処方は時代を超えて通用すると考えられます。
 冷えによって引き起こされる不調の代表は風邪ですが、その原因をウィルスに限定すると普段の生活における冷えに対する注意がおろそかになりがちです。また国民病ともいうべきアレルギー性鼻炎も体の冷えが関係していることがしばしばです。少し冷えると鼻がつまり、くしゃみ・鼻水へと続くお決まりの症状には小青竜湯(しょうせいりゅうとう)が有効です。さらに冷えの程度の強い場合は麻黄附子細辛湯(まおうぶしさいしんとう)にします。それらの処方は鼻や咽喉を温めて効くため、冷たいものを摂りすぎたり、薄着であったり、クーラーが強すぎたりして体を冷やすと薬が効きにくくなります。身体を冷やさないように心がけて内服するのが漢方薬を効かせるコツです。
 長いこと鼻炎が治らないという児童生徒や時には成人の方が見えることがあります。この人たちは例外なく冷蔵庫の冷たい水、アイスコーヒー、果物など体を冷やす飲食物をよくとっています。学校の部活でも飲料用の氷水が用意され、これでは鼻炎も治らないと思います。鼻炎の人は風邪が長引きがちで、咳が続き、喘息になりかねないので要注意です。(新聞原稿 H30/12月)

テーマ : 医療・病気・治療
ジャンル : 心と身体

プロフィール

仲原靖夫

Author:仲原靖夫
昭和51年広島大学卒業、中部病院で外科の研修を終え、八重山病院、アドベンチスト・メディカルセンター、ハートライフ病院、屋比久産婦人科小児科東洋医学センターで西洋医学と東洋医学を併用した診療を続けてきた。現在、『仲原漢方クリニック』(沖縄県那覇市牧志)院長。

リンク
書籍の紹介

東洋医学の雑記帳

仲原漢方クリニック院長のドクター仲原が、1992年から2001年まで、週刊レキオに東洋医学、漢方関連の記事を掲載していたものをまとめた本です。現代西洋医学と東洋医学の病気の考え方の違いや漢方についてわかりやすく解説されています。 冷えの害、不定愁訴について、漢方で癌は治せるか、リウマチと漢方、肩こりについて、風邪について、偏頭痛、不眠、関節痛、自律神経失調症など。

定価:1,000円(税込価格)

発行:(株)週刊レキオ社
(株)週間レキオ社又は全国の書店および「当クリニック」にて販売中

ブログ内検索
最近の記事
カテゴリー
月別アーカイブ