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検査では異常ありません

 現代西洋医学の診療で困るのは微妙な症状があるのに検査で異常がない場合ではないかと思う。ちょっとしたふらつきとか、頭痛、手がしびれるなど微妙な症状の場合、CTやMRIの検査を行って異常がないときに「特に異常はありません」と言って帰されたと言って当院に見える患者さんが少なくない。明らかにMRIなどの画像で異常がないと具体的な治療法に結びつかないため、西洋医学では対応に困ると思われる。
 しかし患者にとっては問題が解決したわけではないので、内心不満に思いながらも引き取らざるを得なくなるのだろう。特に異常はありませんということは、こちらでそれ以上することはありませんという意味も含まれているのではないかと思う。
 そこで少し意地悪くはあるが、「あちらの先生に症状はよくなっていないのにどうすればいいのか聞かなかったんですか?」とこちらから聞いてみるのであるが、ほとんどは何も聞けずに黙って帰ることになっているようである。
 漢方の場合にはもともと画像診断をもとに治療法がきめられているわけではない。気の回り、血の回り、水の回りの異常により微妙な症状が起こると考え、症状の組み合わせによって具体的な処方を導き出し治療に結びつける。鍼灸の治療も同じである。
 したがって微妙なバランスの崩れから微妙な症状を引き起こすという基本的な考え方で治療法が組み立てられているので、漢方の場合は西洋医学的に検査で異常がなくても何とか対応でき、治療の幅が広いのではないかと考える。
 ところで西洋医学が劣った医学であるというわけではない。画像診断で異常が見つかる場合には威力を発揮するのである。また西洋医学は科学的発見の蓄積により、これまで見えなかった異常を何とか見えるように工夫して、治療に結びつける努力を続け素晴らしい治療効果を上げていることも事実である。
 ただそれぞれの医学には得手不得手があるということで、検査で異常が見つからない場合には東洋医学の方がより有効な治療が見つかりやすいということではないかと考える。

テーマ : 医療・病気・治療
ジャンル : 心と身体

プロフィール

仲原靖夫

Author:仲原靖夫
昭和51年広島大学卒業、中部病院で外科の研修を終え、八重山病院、アドベンチスト・メディカルセンター、ハートライフ病院、屋比久産婦人科小児科東洋医学センターで西洋医学と東洋医学を併用した診療を続けてきた。現在、『仲原漢方クリニック』(沖縄県那覇市牧志)院長。

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東洋医学の雑記帳

仲原漢方クリニック院長のドクター仲原が、1992年から2001年まで、週刊レキオに東洋医学、漢方関連の記事を掲載していたものをまとめた本です。現代西洋医学と東洋医学の病気の考え方の違いや漢方についてわかりやすく解説されています。 冷えの害、不定愁訴について、漢方で癌は治せるか、リウマチと漢方、肩こりについて、風邪について、偏頭痛、不眠、関節痛、自律神経失調症など。

定価:1,000円(税込価格)

発行:(株)週刊レキオ社
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