膝関節痛について <後編>

4.痛みの治療
  関節の間隙が正常で膝の外見が正常な場合、膝内側の圧痛のみで腫脹ほとんどない場合、腰椎の捻れや骨盤の歪みを直すだけで痛みはよくなります。どのようにして歪みを直すかが問題です。骨盤調整による方法が最も確実とおもいます。その他には操体法による骨盤の調整があります。より多くの場合は鍼灸治療が利用できます。痛みのある膝関節前内側を通る経絡の気の巡りをよくします。その上で腰背部の左右の筋肉の緊張のバランスを整えます。漢方薬では芍薬甘草湯で背中や下肢の筋肉の凝りを除きます。背骨、骨盤の歪みは時間とともに蓄積されるので、膝関節痛の全過程を通して矯正なされなければなりません。その上で炎症の程度に応じた漢方薬を選択します。膝が腫脹し変形が軽度な場合は越婢加朮湯、防己黄耆湯など。そのとき?血があれば当帰芍薬散、桂枝茯苓丸などを併用します。さらに膝の変形が高度になり、周囲軟部組織の萎縮が起こり、熱感を伴うと桂枝芍薬知母湯、冷えると痛む場合に大防風湯を使います。漫然と鎮痛剤で痛みだけを除き、根本的な腰椎骨盤の矯正を行わないと関節の変形は確実に進行します。最終段階において保存的治療で症状の改善が見られない場合、膝の変形、下肢全体のO脚変形が強くなると、外科的な治療の適応が検討されると思います。

5.膝の変形の予防
  膝の痛み根本原因は腰椎骨盤の歪みにあると考えております。ではなぜ歪みが起こるかということが問題です。それは人間には効き足、利き腕があり、生きていく過程において必然的に微妙に体の左右上下のバランスが崩れる宿命にあるからと考えています。腰椎骨盤の捻れによって関節可動域の制限が起こり、膝関節では曲がりにくくなり、屈曲時の痛みを生じる。したがって痛みの予防はいかに体の捻れを取り除くかということになると思われます。骨盤矯正、操体法により脊椎の捻れの矯正を行うことを続ける必要があります。あるいは操体法は整体のあらゆる関節の強制法であるから利用するとよいでしょう。その上でまめにストレッチを行なう。膝関節では特に内側の筋腱が年齢とともに短縮しがちであるから相撲の股割りの要領で内股を伸ばすことを念入りに行い、継続する必要があると考えております。

テーマ : 医療・病気・治療
ジャンル : 心と身体

プロフィール

仲原靖夫

Author:仲原靖夫
昭和51年広島大学卒業、中部病院で外科の研修を終え、八重山病院、アドベンチスト・メディカルセンター、ハートライフ病院、屋比久産婦人科小児科東洋医学センターで西洋医学と東洋医学を併用した診療を続けてきた。現在、『仲原漢方クリニック』(沖縄県那覇市牧志)院長。

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東洋医学の雑記帳

仲原漢方クリニック院長のドクター仲原が、1992年から2001年まで、週刊レキオに東洋医学、漢方関連の記事を掲載していたものをまとめた本です。現代西洋医学と東洋医学の病気の考え方の違いや漢方についてわかりやすく解説されています。 冷えの害、不定愁訴について、漢方で癌は治せるか、リウマチと漢方、肩こりについて、風邪について、偏頭痛、不眠、関節痛、自律神経失調症など。

定価:1,000円(税込価格)

発行:(株)週刊レキオ社
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